- 不眠症(睡眠障害)
不眠症を改善する食べ物や食生活、悪化させてしまう食べ物や食生活をご紹介します。できるところから改善しましょう。

不眠症を食べ物で改善
不眠症や睡眠障害は生活習慣と大きく関係します。その中でも大切なのが食生活です。安眠につながる食べ物や食生活、逆に不眠症を悪化させてしまう食べ物や食生活などをご紹介します。
不眠症を悪化させないためにも、できるだけ規則正しい生活を送った方がいい事は言うまでもありません。ですが、忙しい現代社会で100%規則正しい生活というのは不規則でしょうし、それがストレスになってしまっては意味がありません。できるところから少しずつ改善していけば、不眠症も改善に向かう事が期待できます。100点を目指さなくても、まずは20点や30点など、できる部分から改善していってみましょう。
不眠症の改善につながる食べ物
睡眠によいとされている食べ物で一般的なのは「トリプトファン」ではないでしょうか。多くのサイトなどでは、「メラトニンを合成するためにトリプトファンを多く含む食べ物を摂取しましょう」というような事が書かれています。
ですが、当然ですが食べ物はお薬ではありませんのでそれほどの強い効果はありません。特定の食べ物を食べた事でその日の寝つきがよくなる、という事があれば、それは既に食べ物とは呼べないでしょう。
また、特定の栄養素が睡眠に効果があるとしても、人間がそれで十分な効果を得るには、ダンプカー1台分の食べものを食べないと意味がないとも言われています。さらにそれが一晩で特定のレベルに達しないと効果が実感できません。そしてその栄養素は翌日に持ち越す事はできないのです。つまり、毎晩ダンプカー1台分のものを食べなくては、しっかりとした効果は得られないという事になります。
それでは、食べ物で快眠を得る事は無理なのかというと、そういうわけではありません。日々の食事は、睡眠の質にも影響を及ぼします。つまり、睡眠の質をあげるような食べ物を、普段からできるだけ摂取するようにする事が大切です。
食物繊維

アメリカ睡眠学会誌に掲載された研究によると、普段食物繊維の摂取量が少なく、脂質や糖分を多く摂取している人は、そうでない人に比べて睡眠が浅く、質も低下している可能性があるという報告が掲載されています。詳細なメカニズムはまだ判明していませんが、脂肪が多い食事は、消化に負担がかかる事などが原因ではないかとされています。
食物繊維というと便秘解消などを思い浮かべる方が多いかと思いますが、米国コロンビア大学医療センターの研究によると、深い徐波睡眠の時間が増えたと報告されています。
ただし、食物繊維をただやみくもに摂取すればいいというわけではありません。食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類があるのは有名です。
消化を助けるために食物繊維をとった方がいいのだと仮説を立てれば、どちらを摂取した方がいいかは人によって異なります。不溶性食物繊維は便のかさを増してくれるなどの働きがあります。通常の方であれば効果はありますが、もともと便秘体質の方が摂取するとよけいお腹が張ってしまって悪化してしまう可能性もあります。
水溶性食物繊維はお腹の老廃物や便を流してくれる働きがあります。もともと便秘の方、下痢の方、お腹が張りやすい方は水溶性食物繊維の方がオススメです。水溶性食物繊維は、下記のものに多く含まれています。
- 海藻
- こんにゃく
- 納豆
- ねばねば食品
- 納豆
- アボガド
食物繊維というと野菜の方が有名ですが、野菜の食物繊維はほとんどが不溶性食物繊維です。ですから、人によっては便秘などが悪化してしまう可能性があるのです。お腹に問題を抱えている方は、まずは水溶性食物繊維をとるように心がけてみましょう。
マグネシウム
ストレスや睡眠不足は、マグネシウムを消費してしまいます。ストレスや睡眠不足が悪化するとマグネシウム不足になってしまいます。また、マグネシウムは体内時計の調整にも関わっているという研究報告もあります。マグネシウムは、
- 大豆製品
- 海藻類
- 魚介類
- 青菜類
- ごま
- 枝豆
などに多く含まれています。
カリウム

眠っていても途中で目が覚めてしまう方にオススメの栄養素がカリウムです。カリウムは中途覚醒を防ぐとされています。ただし、水に弱いので、生で食べるか、加熱しすぎないようにしましょう。カリウムは、
- バナナ
- アボガド
- 干し柿
- 葉野菜
- メロン
- キウイ
- タケノコ
- ひじき
- アーモンド
などに多く含まれています。
鉄分
鉄分が不足すると、寝つきが悪くなったり、昼夜逆転してしまったりしてしまいます。それ以外にも脳がうまく休めなくなってしまったりだるさ、貧血、冷え性などを招く危険があります。特に女性はしっかりと摂取したい栄養素です。
- ひじき
- レバー
- 貝類
- 魚介類
などに多く含まれています。
ビタミンB1
ビタミンB1が欠乏している高齢者に補給したところ、睡眠の質と幸福度が高まったという臨床試験の結果があります。さらに、日中の昼寝がなくなった、慢性的な疲労感が減少したという報告もあります。睡眠の質が悪いと感じている方は摂取してみましょう。なお、ニンニクや玉ねぎはビタミンB1の吸収を助ける働きがあるため、一緒にとるとさらに効果的です。ビタミンB1が多く含まれているものは、
- 豚肉
- うなぎ
- 玄米
などです。
ビタミンB12
体内時計が乱れてしまっている方にオススメなのがビタミンB12です。ビタミンB12はメラトニンの分泌を正常に保ち、乱れた体内時計を正常に戻す働きがあるとされています。体内時計を整える事で、適切な時間に起床・就寝ができるようになります。ビタミンB12は、
- 牛肉
- 鶏肉のレバー
- 貝類
- 魚類
などに多く含まれています。
ハーブティー

ハーブティーはリラックス効果などがあるため、日本でも女性を中心に人気になっています。カフェインを含んでいないため、就寝前に飲んでも問題ありません。温かいものであればさらに体の芯からあたため、落ち着いた気分で眠りにつく事ができます。夏でもできればぬるめにして飲みましょう。ただし、熱すぎると交感神経が活発になってしまいますので注意が必要です。
ハーブには多くも種類がありますが、「ジャーマンカモミール」「パッションフラワー」などが安眠にはオススメです。ジャーマンカモミールは心身をリラックスさせる効果があると言われています。日本でも古来から「加密列(カミツレ)」と呼ばれ、民間薬として親しまれてきました。体の冷えを緩和する働きなどもあるため、冷え性で寝付けない方にもオススメです。
パッションフラワーもリラックス効果が高く、「天然の精神安定剤」とまで呼ばれています。緊張、ストレスを和らげる働きがあるため、ストレスで不眠症になっている方には特にオススメです。また、生理痛緩和の効果もあるとされているので、生理で寝つきが悪いときなどにも是非利用してみましょう。
不眠症を改善する食生活
まず、不眠症を解消するにはできるだけ正しい食生活を送る事が大切です。特に気をつけたい食生活をご紹介します。
できるだけ毎日同じ時間に3食食べる
食事はできるだけ毎日同じ時間に3食を食べるのが理想です。食事には、栄養を摂取するだけでなく、実は体内時計を整えるという効果もあります。そのため、毎日同じような時間に食事をとる事で、体内時計は整えられていきます。食事の時間がずれてしまうと、体内時計もどんどん狂っていってしまう可能性があります。
夕食は就寝の3時間前まで
朝や昼は忙しくて食事がゆっくりとれないため、一日のうちで一番しっかりした食事が夕食という方も少なくないかもしれません。ですが、眠る前はできるだけ軽い食事になるように心がけましょう。どうしても夕食の時間が遅くなってしまう場合は、夕食は2回にわけるなど工夫が必要です。早めの時間におにぎりなど炭水化物を食べ、遅い時間には消化に良いものを食べるようにしましょう。
食べ物を消化するには、人間が思っている以上にエネルギーが必要になります。眠っていても胃腸は消化のために働いていることになりますので体はしっかり休まらず、眠りが浅くなってしまいます。食事はできるだけ眠る3時間前までに済ませましょう。さらに、詳しくは後述しますが、脂質、糖分の多いものは夕食にはできるだけ避けましょう。
不眠症を悪化させてしまう食べ物
不眠症は、摂取する食べ物によっても悪化してしまう可能性があります。全く摂取しないという事は難しいかもしれませんが、安眠を得るためにもできるだけ控えるようにしましょう。
カフェイン
カフェインには覚醒作用があるため、眠りを妨げてしまう事は多くの方がご存知でしょう。コーヒー、紅茶、お茶などに含まれているのは有名ですが、実はココア、コーラやチョコレートにも含まれています。最近はカフェイン中毒なども問題になっていて、カフェインがやめられない方も増えているかもしれません。
カフェインは就寝前に控えるのはもちろんですが、効果時間が意外に長いため、注意が必要です。個人差や摂取量にもよりますが、8~14時間程度持続するとされています。できればカフェインの摂取はお昼までにしておきたいところです。最低でも就寝の4時間前までにしましょう。
カフェインがどうしてもやめられない方もいらっしゃるかもしれませんが、最近はおいしいノンカフェインコーヒーも増えています。安眠のためには、できれば日中も麦茶やルイボスティー、ハーブティーやそば茶など、カフェインを含んでいない飲み物を摂るようにしましょう。
お酒(アルコール)

お酒はリラックス効果もあり、適度な量であれば眠りにもいい影響をもたらします。ただし、飲みすぎがよくないのは言うまでもありません。眠る前にお酒を飲む事が習慣化してしまい、「お酒を飲まないと眠れない」となってしまったら注意が必要です。
眠る前にお酒を飲む事を「寝酒」と呼びます。習慣になってしまうとアルコール依存症などの危険があります。また、お酒の注意しなくてはいけない点は、飲むほど耐性がついていってしまうという事です。どんどん飲酒量が増えていってしまい、最終的には「どんなに飲んでも眠れない」という状態になってしまう危険もあります。
また、お酒を飲むと確かに寝つきはよくなりますが、睡眠の質は悪くなってしまいます。毎日の寝酒が習慣になってしまうと、毎日質の悪い睡眠が続いてしまう事になります。
ですが、毎日お酒を飲んでいた方がお酒を急にやめるというのは難しい話です。やめられたとしても大きなストレスとなってしまう可能性が高いでしょう。ストレスなく無理なくお酒をやめるには、レグテクトなどの断酒補助薬を利用しましょう。レグテクトはお酒を飲みたいという欲求を抑えてくれる効果があるため、ストレスなくお酒をやめる事ができます。レグテクトは病院に行かなくても通販で購入する事ができます。
お酒は適量であれば問題はありませんが、毎日飲む習慣がやめられないという方は、できるだけ早めに量を減らす、頻度を減らすなどの対処をしましょう。お酒を飲む場合は、就寝の3時間前までにするようにすれば、睡眠には大きな影響にないと言われています。お酒を飲む場合は、早めの時間に飲むようにし、飲みすぎないようにしましょう。
脂肪や糖分
睡眠不足になると脂肪、糖分の多い食事を好んで食べるようになるという研究結果があります。睡眠不足の人とそうでない人を比較した際、睡眠不足の人は脂肪の多い食事を2倍以上食べていて、さらに、スナック菓子などの間食欲求が抑えられなかったとされています。睡眠不足の人は太りやすいという説もありますが、このような事も関係している可能性があります。
睡眠不足が先なのが、脂肪や糖分の多い食事が先なのかはわかりません。ですが、糖分や脂肪の多い食事が睡眠不足になり、さらに糖分や脂肪の多い食事をとるようになります。それがさらなら睡眠不足を招いてしまい、どんどん悪循環に陥ってしまう危険があります。ランチやおやつの時間にたまに摂る程度でしたら大きな問題にはなりませんが、間食がやめられなくなってしまったりしている場合は注意が必要です。できるだけ糖分や脂肪はとらないようにし、間食をしたくなったら水を飲む、歯を磨く、ガムを噛むなどして乗り切りましょう。
安眠のためには食生活の改善も大切(まとめ)

以上のように、睡眠は日常の食生活も大きく関わっています。できるだけ規則正しい食事をし、カフェインなどは避け、睡眠に良いとされている栄養素などを積極的に摂取する事で、徐々に睡眠の質があがっていく事も期待できます。ただし、即効性があるわけではなく、確実に効果があるとも言えない部分もあります。
不眠症が慢性化している場合などは、睡眠薬(睡眠導入剤)を利用して、早めに症状を改善してしまう方がいい場合もあります。即効性があるため、寝つけない方などに特にオススメです。睡眠薬は長く利用するお薬ではありませんので、症状が改善してきたらもちろんやめる事は可能です。また、最近の睡眠薬は安全性が非常に高いため、正しく服用すれば依存などの心配はほとんどありません。
最近は安全性が高いルネスタやハイプロン(ソナタジェネリック)などの睡眠薬が人気になっています。病院の処方が必要ですが、通販を利用すれば病院に行かずに安いジェネリックを購入する事ができます。
食事に気をつけつつ、睡眠薬を上手に利用しながら治療していくのが、不眠症の最も簡単で効果が高い改善方法と言えます。不眠症は悪化する危険が高い病気です。気になる点があったら早めに改善し、日中に最大限のパフォーマンスを発揮できるようにしましょう。