- 不眠症(睡眠障害)
不眠症を改善するには様々な方法があります。生活習慣などの改善よりさらに即効性、効果のある改善方法もご紹介します。

様々な不眠症の改善方法
不眠症や睡眠障害を改善する方法は非常に多くあります。その中でも、特にオススメな方法やグッズをご紹介します。原因、症状は人によって異なるため、どれが合っているかは一概には言えませんが、色々と試してみて、ご自分に合っているものを探してみましょう。
最適な睡眠環境
睡眠をする上では、睡眠環境が非常に大切です。ご自分が最適な環境で眠れているか、再度確認してみましょう。
寝具・パジャマ
まず、寝具やパジャマなどです。最近は枕やマットレスにこだわる方も増えています。高額なものもあり、どれがいいのか迷ってしまいますが、これはお店などで試してみるのが一番でしょう。最近はオーダーメイドで枕を作っているお店も人気になっています。本格的にこだわりたい方は、思い切ってオーダーメイドするのもオススメです。
シーツや布団などもできるだけこまめに干したり洗濯するのを心がけ、ダニやカビの温床にならないよう、清潔な状態で眠るようにしましょう。アレルギーのある方は特に注意が必要です。
また、眠るときは基本的にはパジャマに着替えましょう。スウェットやジャージなどで眠る方も多いようですが、通気性がよくないため、しっかりと眠れない場合があります。パジャマも高いものはシルク製などもありますが、ゆったりして、ご自分で肌ざわりがいいと感じるものを選びましょう。
光
眠るときは光(照明)も大切になります。明るいところで熟睡できる方は少ないでしょう。人間は明るいと目が覚めるようにできていますので、電気をつけたまま眠ってしまう場合は、眠っているつもりでもしっかり眠れておらず疲れがとれていませんので注意が必要です。
眠る場合に、特に大切なのは明るさ(輝度)と光の色(色濃度)です。できれば夕方以降は白熱灯などの赤みがかった照明で過ごすようにしましょう。白熱灯や電球色のあかりがおすすめです。また、ろうそくやキャンドルの炎は落ち着かせる効果があるため、眠りに導いてくれます。間接照明などもいいでしょう。真っ暗になると眠れないという場合は、足元だけ照明をつけるのもおすすめです。日中に眠る生活をしている方や、夜でも外からの光が気になる方は、遮光カーテンを利用しましょう。
逆に、LEDや蛍光灯など青に近い白い明りは覚醒作用があるとされています。コンビニなどの光を浴びると眠れなくなってしまうため、できれば眠る前に行くのは控えましょう。朝はしっかりと目覚めるために、起床後できるだけ早くカーテンを開け、日光を浴びるようにするのがオススメです。
温度・湿度

睡眠に適切な温度や湿度は、季節によって異なります。冬は18度、夏は25度で、湿度は50~60%が良いとされています。乾燥が気になる冬は加湿器、夏は除湿機などを利用するのもおすすめです。エアコンを利用している方が多いかと思いますが、エアコンの風は体に直接当たらないようにしましょう。場所の問題でどうしても難しい場合は、風向きを固定するのがおすすめです。また、できれば一晩中つけておくのは避け、タイマーなどを利用しましょう。
なお、部屋の温度や湿度だけでなく、寝具の中の温度や湿度も大切です。専門用語では「寝床内気候」とも言われています。寝具の中の温度は33度、湿度は50%前後が適切とされています。汗をかく夏は温度も湿度が高くなってしまいますし、冬はその逆です。寝具を上手に利用して、寝具の中の温度や湿度にも気を配るようにしましょう。
音
眠るときは騒音がない方がいいのは言うまでもありません。屋外からの音が気になる場合、窓やカーテンを二重にすると防音効果があります。遮音カーテンも販売されていますので、そのようなものも活用しましょう。また、エアコンや加湿器などの音も意外に気になるものです。定期的なメンテナンスを心がけましょう。お好みで、眠る前にリラックス効果のあるヒーリングミュージックなどの音楽を流すのもいいでしょう。オルゴールの音などもおすすめです。
香り
ご自分がリラックスできる睡眠環境を作る事も快眠にはプラスになります。手軽に利用できるのはアロマテラピーです。ラベンダー、イランイラン、カモミールなどが良いとされていますが、ご自分がリラックスできるものを選ぶのが大切です。アロマディフューザー、アロマポット、アロマキャンドルなどを利用するのが一般的ですが、ティッシュやハンカチなどにアロマをたらし、枕元に置くなどの簡単な方法でも利用できます。
快眠につながる生活習慣
不眠症は、生活習慣と大きく関わりがあります。気になる生活習慣がある方は、一度に全部は無理でも、少しずつでも改善する事で睡眠の質をあげる事が可能です。快適な睡眠を得るために、身につけたい生活習慣をご紹介します。
適度な運動

質のよい睡眠を得るためには、適度な運動が大切です。運動と一言に言っても様々な種類がありますが、運動をほとんどしていなかった方が負荷の大きい筋トレなどを突然始めては逆効果になってしまう場合があります。運動の習慣があまりない方、運動が苦手な方にオススメなのが「有酸素運動」です。
有酸素運動として有名なのが、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、ヨガ、ラジオ体操などです。一般的には、負荷が軽く、持続性があり、動きが早急ではない運動を有酸素運動としています。注意点は、息が切れるほど激しい運動になってしまうと有酸素運動の逆の無酸素運動になってしまいます。少し息があがる程度の運動量にしましょう。
また、時間は短すぎても長すぎてもよくありません。1日の運動時間は30分~1時間程度にするようにしましょう。理想は毎日続ける事ですが、最初は週に3日などでも構いません。ご自分で無理なく続けられるような目標を設定しましょう。
規則正しい食生活
食事は睡眠とも密接な関係があります。まず、朝食は少しでも食べるようにしましょう。朝食を食べる事で、胃腸の活動リズムを整える効果があります。特に、朝食にトリプトファンを摂取する事で、夜に眠りやすくなると言われています。トリプトファンは、味噌、大豆、乳製品、肉、魚介に多く含まれています。意識的に摂取してみましょう。
また、満腹状態で眠るのは控えましょう。満腹状態ですと消化のために胃腸が活性化してしまうため、脳と体が休めなくなってしまいます。できるだけ眠る3時間前までに食事は済ませ、夕食は腹八分目にするのがおすすめです。
毎日同じ時間に起きる
体内時計を整えるには、毎日同じ時間に起きるように心がけましょう。不眠症の方は、眠る時間に注意がいってしまいがちなのですが、生活の乱れは起床時間が乱れてくる事によって起こってしまいます。前日に眠るのが遅くなってしまった日も、頑張っていつも通りの時間に起きるようにしましょう。そしてその日は、眠いため少し早めに眠る事になるはずです。
これが眠る時間が遅くなった事によって起きる時間が遅くなってしまうと、その日もいつもの時間になっても眠くならないため、眠る時間が遅くなってしまい、徐々に眠る時間、起きる時間が遅くなっていってしまいます。生活習慣を整えるのは、起きる時間を変えない事が大切なのです。
就寝前の水分
眠っている間は、冬でもコップ1~2杯分の汗をかくとされています。つまり、睡眠中にそれだけの水分が失われてしまうので、脱水症状になったり睡眠が妨げられてしまう危険があります。それを防ぐために、眠る前に、コップ1杯分の水を飲むのがおすすめです。昔の人は、眠る前に飲む水を「宝水」と呼び、就寝前に水を飲むのがいいことを経験から知っていました。
ただし、冷たい水では逆に目がさえてしまう場合があります。ぬるま湯や白湯などを飲むのがおすすめです。内臓からあたためてくれるため、さらに眠りやすくして作用があります。
ストレッチやマッサージ
眠る前に急激な運動をするのはおすすめできませんが、適度なストレッチやマッサージはリラックス効果があります。マッサージはご自分に合っている方法を見つけるまで色々と試してみるのがおすすめですが、股関節をほぐしたり、背伸びをしたり、手足の力を抜いたりなど、心地いいストレッチやマッサージをゆっくりと行いましょう。
昼寝は15分程度まで

日中に昼寝をすると、お昼以降のパフォーマンスがアップする、という事を耳にした事がある方も多いのではないでしょうか。欧米の企業ではお昼寝制度を取り入れているところも多く、「オフィス・シエスタ」とも呼ばれています。適度な仮眠は、お昼以降の眠気防止にもなります。ただし、長すぎると仮眠ではなくなってしまい、さらに眠くなってしまう、夜に眠れなくなるなどの弊害があります。15分程度に抑えるようにしましょう。
昼寝をしたらすっきり目覚めるための方法として、眠る前にコーヒーなどのカフェインを飲む事です。カフェインの効果があらわれるのは15分ほどしてからであるため、眠る前に飲めば、15分であればちょうど覚醒作用があらわれはじめ、すっきりと目覚める事ができるのです。最近はデスクで仮眠するための枕も販売されていますので、オフィスに枕を常備しておくのもいいかもしれません。
睡眠日記(睡眠日誌)をつける
ご自分の睡眠の状態を客観的に知る事も不眠症を改善する上では大切です。その事によって、眠りやすい時間がわかるようになったり、「このようなときは眠りにくい」などのパターンがわかってくるようになります。特に睡眠日記(睡眠日誌)をつける事で把握しやすくなります。
実際の起床時間、就寝時間だけではなく、床に入っていても寝付けなかった時間、日中に眠くなった時間、うたた寝や昼寝をした時間、眠っている間に目が覚めた時間やトイレなどで起きた時間、朝起きたときの疲労度、睡眠薬(睡眠導入剤)などを利用した日、日常で気になった点や気を付けた点、疲労感、その日の気分やストレスなども記録すれば、より分析しやすくなります。
1ヵ月程度続けてみれば、ご自分の睡眠の特徴がある程度わかってくるはずです。ご自分を客観的に見る事は何においても大切です。手帳などに記入するのもいいですし、起きてすぐにトイレに行く方は、トイレに紙を貼っておいて忘れずに記入するようにしておくのもいいでしょう。どの程度の不眠症かわからない、という方は、まずはご自分の症状を把握してみましょう。
ツボ
不眠症の解消にはツボ押しも効果的です。特に自律神経を整える効果があるツボも多いため、ストレスで寝付けない方などは眠る前に試してみましょう。
自律神経を整えるためには「百会(ひゃくえ)」と呼ばれるツボが効果的です。頭のてっぺんにあるツボで、場所は耳たぶの先端と顔の中心線が交わる場所にあります。両手の中指でゆっくりと力をかけるイメージで押します。押しては離すを何度か繰り返します。入浴後などのリラックスした時などに押してみましょう。
「小衝(しょうしょう)」と呼ばれるツボもリラックス効果があります。小衝は小指の爪の付け根の薬指側にあるツボです。反対側の手の親指を人差し指で挟みこみ、押したり離したりを繰り返します。小衝は眠る前だけでなく、日中に押す事でストレスを軽減してくれます。気がついたときに押してみましょう。
腹式呼吸
眠る前に腹式呼吸を行うと自律神経が整い、リラックス効果が得られるため、不眠症の方には特におすすめです。緊張している状態だと呼吸が浅くなってしまいますが、腹式呼吸をする事で新しい酸素が取り込まれ、気分がリセットされます。腹式呼吸を続けるとセロトニンが分泌されやすくなるため、さらに眠りやすい状態になります。
まず、力を抜いた状態で手を伸ばし、体の横におきます。その状態で4秒かけてゆっくりと鼻から息を吐き出して下さい。お腹をペタンコにするイメージで、ギリギリまで息を吐き切って下さい。そして7秒間息を止めます。そして8秒かけて息を吸います。吸い込んだん空気でお腹が膨らむのを意識いながら吸いましょう。この動作を何度か繰り返すと力が抜けていき、眠れるようになります。
日中に適度な日光を浴びる
太陽の光は、人間の体内時計をリセットする効果があるとされています。また、日光を浴びると睡眠に十分なセロトニンを分泌する事ができ、その日は眠りやすくなります。通勤中に日光を浴びるだけでも効果がありますし、カーテンをあけて太陽の光を室内に取り込むだけでも構いません。ただし光ならなんでもいいわけではありません。室内照明は太陽の光の5分の1~10分の1程度ですので、照明ではなく、太陽の光を浴びる事が大切です。
半身浴で体をあたためる
眠る1時間ほど前に半身浴をして体を温めるのも効果的です。半身浴をすると副交感神経が働き、リラックス効果があるとされています。また体をあたため、血行をよくしてくれます。ただしお湯が熱すぎると交感神経が働き、目が覚めてしまいます。ぬるめのお湯(38~40度程度)に20分程度つかりましょう。いったん体が温まり、そのあとゆっくりと体温が下がる事で自然に眠れるようになります。
首の後ろをあたためる
首の後ろには、副交感神経のセンターがあると言われています。スマホの普及により、首こりやストレートネックに悩まされている方が急増しています。そのためうまく副交感神経が働くなってしまい、不眠症などになってしまいます。首を温めることで副交感神経が働き、リラックスできる効果があります。
最も簡単な方法は、ドライヤーで髪を乾かす際に、首の後ろにもドライヤーをかける事です。首をあたためることで心も体もリラックスする事ができます。また、電子レンジであたためて使うタイプの蒸気温熱ピローも販売されていますので、このようなものを利用するのもいいでしょう。
活用したい睡眠改善グッズ
質の良い睡眠を得るために、下記のようなグッズを利用するのもオススメです。
アロマチャーム
「アロマを始めてみたいけど、手軽にみたい」という方には、アロマチャームがおすすめです。火や電気は使わずに、アロマチャームにアロマを数滴垂らすだけでほのかな香りを楽しむ事ができます。いつでも手間なく利用する事ができ、外出先にも持っていく事が可能です。
ハーブティー

ハーブティーは様々な効果がありますが、多くはリラックスさせる効果があります。カフェインを含んでいないため眠る前にも飲む事ができます。体もあたたまり、落ち着いた気持ちで眠りにつく事が出来るでしょう。ただし、あまりにも熱すぎると交感神経が働いてしまうので、少しぬるめにして飲むのがおすすめです。
睡眠にいいとされているハーブはいくつかありますが、特にオススメなのがバレリアン、パッションフラワーなどです。リラックスできるハーブがブレンドされているものがオススメです。
湯たんぽ
足が冷えて眠れないという方も多いでしょう。眠るときは、「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」が良いとされています。一番簡単な方法は、日本で古来から利用されている湯たんぽです。眠るときにはじんわりと温かくなり、徐々に温度が下がっていくので暑すぎて目が覚めてしまう事もありません。また、エアコンなどのように肌を乾燥させる心配もありません。ただし、低温やけどには注意が必要です。必ずカバーで覆い、直接肌に触れないようにしましょう。眠るときは体から少し離して利用して下さい。
なお、半身浴をする場合、冷たい体で入浴しても体の表面しか温まらない場合があります。効果的に温まるには、お風呂に入る前に湯たんぽで腰やお腹をあたためるのがオススメです。
湯たんぽにはポリ製、ゴム製、金属製、陶磁器製やレンジでチンするタイプなど様々なものがあります。それぞれ一長一短がありますので、特徴を理解して、ご自分に合っているものを利用しましょう。
アイマスク
眠るときに光が気になってしまう場合は、アイマスクを利用するのもオススメです。人は暗くなる事で眠る準備に入りますので、光をさえぎる事によって熟睡できる事が期待できます。また、眼精疲労の回復、目のむくみやクマなどの改善にも役立つと言われています。
ただし、場合によっては蒸れてしまう、邪魔になってかえって眠りにくい、という方もいらっしゃるので、不快感があるようでしたら無理につける必要はありません。
耳栓
騒音が気になって眠れないという方は、耳栓を利用しましょう。音をさえぎってくれるため、安眠する事ができます。夜でも生活音が気になって眠れない方も多いと言われています。車のエンジン音、エアコンの室外機の音、電気機器の稼働音、時計の音なども気になってしまうものです。耳栓は非常に多くの種類がありますので、ご自分に合っているものをさがしましょう。
控えたい生活習慣
下記のような生活習慣は、睡眠に悪影響になってしまいます。すべてを控えるのは難しいかもしれませんが、少しでも控える努力をしましょう。
休日に寝だめはしない
平日に眠れないため、休日に寝だめをするという方は多いかもしれません。ですが休みの日に遅くまで寝ていると、その日はいつも寝る時間になっても眠れなくなってしまい、お仕事の日の朝に起きるのがよけい辛くなってしまいます。体内時計が狂ってしまうため、不眠症は悪化してしまいます。
お休みの日も、できれば普段より2時間以上遅く起きるのは控えましょう。休日の前の夜に好きな事をしたい方も多いかもしれませんが、夜ではなく、翌日に早起きして楽しみましょう。体内時計が崩れてしまったことでよけいな疲れをためてしまうよりも、効率的に自分の時間を楽しむ事ができるようになります。
お酒(アルコール)を控える

「眠れないからお酒を飲む」という方は日本では非常に多いと言われています。適度な量であればリラックス効果があり、悪い面だけではありません。ですが「お酒を飲まないと眠れない」というような、いわゆる寝酒が習慣になってしまっている方は注意が必要です。
まず、お酒がやめられなくなってしまうと、アルコール依存症になってしまう危険があります。アルコール依存症はある日突然なってしまうわけではありません。飲酒が習慣化してしまう事により、気付いたときにはやめられなくなってしまうのです。アルコールはよほど弱い人でない限りは、飲めば飲むほど耐性がついていってしまいます。ですのでどんどん飲酒量が増えてしまい、最終的には「どんなに飲んでも眠れない」という状態になってしまう危険があります。
また、お酒を飲むと寝つきはよくなるのですが、実は睡眠の質は悪くなってしまいます。お酒を飲んだ日の翌日はいつまでも眠いという経験がある方も多いのではないでしょうか。これは、しっかりと睡眠がとれていないためなのです。寝酒が習慣になってしまっている場合は、不眠症を悪化させてしまう事にもなってしまうのです。寝酒が習慣になってしまっている方は、できるだけ早めにやめるようにしましょう。
ですが、お酒が習慣になってしまっている方にとって、お酒をやめるのは簡単な事ではないでしょう。無理にやめようとすれば、それがよけいストレスになってしまう可能性もあります。どうしてもお酒がやめられない方は、レグテクトなどの断酒補助薬を利用するのも検討してみましょう。「お酒を飲みたい」という欲求を抑えてくれるため、ストレスなく禁酒をする事ができます。レグテクトなどは病院で処方されるお薬ですが、病院に行かずに通販でも購入する事ができます。
カフェインを控える
カフェインは覚醒作用がある事はほとんどの方がご存知でしょう。カフェインは交感神経を刺激する作用があります。そのため、深い眠りを得にくくなってしまい、不眠症の原因となってしまうのです。眠る前に飲むのを控えるのはもちろんですが、カフェインの効果は8~14時間続くとされています。ですので人によっては夕方に飲んだコーヒーの影響が夜まで残っている場合もあります。
カフェインを摂取するのが習慣になってしまっている方の中には、朝も起きれるし夜も普通に眠れるという方もいらっしゃいます。ですが浅い眠りが慢性的に続いている事になっているため、自覚がなくても不眠症になってしまっているケースもあります。普段は日中に眠くなる事はありませんが、カフェインをとらなくなると急に眠くなったり、頭が働かなくなってしまう事があります。そのような方は、カフェインが効かないというより、カフェインを摂取しないと起きていられない依存状態になってしまっている事も考えられます。
どれくらいカフェインの効果が持続するかは個人差がありますが、24時に就寝する方は、16時以降はカフェインを摂取しない方がいいでしょう。
なお、カフェインと言えばコーヒー、紅茶、お茶などに含まれていますが、実はココアやチョコレートにも含まれています。カフェインの量はコーヒーなどに含まれていませんが、できれば夕方以降は避けるようにしましょう。最近はカフェインが含まれていないデカフェやカフェインレスなども味がよくなっています。どうしてもコーヒーがやめられない方は、デカフェやカフェインレスなども検討してみましょう。
タバコを控える(特に就寝前)

お酒、カフェイン以上に注意が必要なのが、実はタバコです。タバコを吸う方は、リラックスするために眠る前に喫煙をする方が多いかもしれません。ですがこれは睡眠に非常に悪影響です。
ニコチンには強い覚醒作用があります。中枢神経や末梢神経に作用し、血圧・心拍を上昇させるため、体内の熱が高まり、脳が休めなくなってしまうのです。ですのでタバコはリラックスどころか緊張をさせてしまう作用があるのです。
医学的には就寝前の2~3時間は喫煙しない方がいいとされています。ですが普段タバコを吸う方は、2~3時間我慢すると逆にニコチンの離脱症状が起きてしまい、眠れなくなってしまいます。タバコに含まれるニコチンは、「吸っても寝付けなくなり、吸わなくても寝付けなくなってしまう」という非情な作用があるのです。
ニコチンの半減期は約30分と言われています。1時間程度でニコチンは代謝されますので、就寝前はできれば1時間は吸わない、可能であれば2時間は吸わないように心がけるようにしましょう。
もちろん、健康のためにも睡眠のためにも禁煙するのが一番です。カフェインやアルコールは適量であればプラスの面も多数あります。ですがタバコはメリットはひとつもありません。禁煙ができるのであれば禁煙するようにしましょう。
ストレスをためない
不眠症の一番の大敵はストレスです。不眠症になってしまっている方で、特に寝付けないという入眠障害の症状がある方は、ストレス、悩みや心配ごとなどが原因である事がほとんどです。仕事、人間関係、家庭、経済問題など、生きていれば何かしらの問題はつきものです。上手にストレスを発散できればいいのですが、それが難しい方もいらっしゃるでしょう。
忙しい現代人は、ストレスをゼロにする事はほぼ不可能でしょう。また、不眠症になってしまう方は、真面目な方が多いと言われているため、色々と考えすぎてしまう事も原因のひとつです。ですので、眠る前にはなるべく考え事はしないようにしましょう。夜になると考えごとをしてしまう方は、眠る前に気になっている事を紙に書き出してしまうだけでも効果があります。
それでもどうしてもストレス、不安、悩みが強い場合は、バスパーやセディールなどの抗不安薬を利用するのもおすすめです。服用すると不安や緊張がやわらぎ、リラックスする事ができます。バスパーやセディールには催眠作用もあるため、睡眠薬として利用する事も可能ですので不安がある方にとっては一石二鳥のお薬です。バスパーやセディールは処方が必要なお薬ですが、通販を利用すれば病院に行かずに購入する事が可能です。
眠る3時間前は何も食べない
眠る前に食事はとらない方がいい事は、ダイエットの上でも今や常識でしょう。眠る直前に食事をとるのはできるだけ避けましょう。食べ物を消化するためには胃腸が働かなくてはいけません。そのため、眠る直前に食べてしまうと消化のために胃腸が働いているため、眠りが浅くなってしまいます。
夕食はできれば就寝の3時間前までに済ませ、満腹ではなく、腹八分目程度に抑えましょう。どうしても夕食が遅くなってしまう場合は、消化がいいものを食べるようにしましょう。
ブルーライトを控える

LEDなどの光は覚醒作用があるため、眠る前には見ない方がいいのは前述した通りですが、スマホなどにはLEDが利用されています。いわゆるブルーライトは睡眠を妨げ、眼精疲労の原因になる事で有名です。スマホ以外にもパソコン、テレビ、ゲームなどもよくありません。「スマホ依存」という言葉が言われていますが、眠る前は最低でも1時間、できれば2時間は見ないようにしましょう。
スマホにはブルーライトをカットする機能やアプリがありますので、このようなものを利用するのもおすすめです。帰宅してからパソコンを利用する方は、パソコンの液晶に貼るブルーライトカットプロテクターなどを利用してみましょう。
サプリメントや睡眠薬・漢方を利用する
以上のように、不眠症を改善する方法は様々ありますが、もっと手っとり早く改善したい方は、サプリメントや睡眠薬、漢方などを利用することも検討してみましょう。
漢方

東洋医学では、「肝」がストレスに関係していると考えられています。「肝」は感情をコントロールしているとされていて、「肝」にストレスがかかると、「神経」が高ぶった状態になってしまいます。神経の高ぶりが不眠や不安などにつながってしまうのです。ですので不眠症を改善するためには「肝」のバランスを整え、「神経」を静める作用がある漢方が利用されます。
不眠症の改善につながるとされている漢方は非常に多くの種類があります。神経の高ぶりを抑える「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」、肝の高ぶり抑える「抑肝散(よくかんさん)」、夜になると眠れなくなるなどの神経の働きを鎮める作用がある「酸棗仁湯(さんそうにんとう)」や、この他にも非常に多くのものがあります。
一言に不眠症と言っても、すべての人にこれが効く、というものはありません。どれが合っているかは個人差があります。服用しても全く効果がなかった方もいれば、劇的に改善されたというケースもあります。ですのでしっかりと症状を把握し、合っている漢方を選ぶ必要があります。そのためには、信頼できる医師を選ばなくてはなりません。東洋医学は西洋医学に比べ、見解が非常に複雑です。医師によって全く違う事を言われる事も珍しくないため、まずは医師選びが大切になります。
サプリメント
副作用などが心配な方は、睡眠サプリメントもオススメです。カルダモンなどが配合されているジェリフォルテ、バレリアンが配合されているタガラ、メラトニンが配合されているメラトニン(メロセット)などがあります。特にストレスが多い毎日を過ごしている方などに利用されています。海外のサプリメントを通販で簡単に購入できるのもメリットです。気軽に試してみたい方には特にオススメです。
市販されている睡眠薬(睡眠改善薬)
最近は薬局やドラッグストアなどでも睡眠薬は市販されています。有名なものでドリエル、アタラックスや、海外にはソミナーなどがあります。これらは正確には「睡眠改善薬」と言われ、元々は抗ヒスタミン剤であったものが、副作用を利用して睡眠薬として利用されています。
病院に行かずに気軽に購入できる点からもわかるように、病院で処方される睡眠薬と比べると安全性が高いというメリットがあります。ただし、効果はそれほど強くないため、一時的な不眠症や軽度の不眠症の方には効果がありますが、慢性的な方や中程度以上の不眠症の方では効果がない場合があります。
また、注意したい点は、耐性が形成されやすいという点です。服用して2、3回目で効果が実感できなくなってしまう事がほとんどですので、継続的な服用には適していません。ドリエルなどの睡眠改善薬を利用しても改善が見られなかった方は、しっかりと効果があり、比較的長期的に服用する事を考えてつくられている睡眠薬の方がオススメです。
病院処方の睡眠薬

不眠症の症状が軽度である方、一時的なものである方は、上記のような方法で症状が改善、緩和される事が期待できます。ただし、注意点は時間がかかる、手間がかかる、毎日続ける根気が必要、すべての人に必ずしも効果があるわけではない、などの点が挙げられます。
早く、簡単に手間をかけずに、しかもほぼ確実に効果のある方法で不眠症を改善したい方には、睡眠薬を利用するのがオススメです。睡眠薬は、医療医薬品ですので本来は病院に行かなくては入手できません。忙しい現代人にとって、病院に行くのはかなりの負担になってしまうでしょう。ですが現在は、個人輸入代行業者を利用して通販する事ができます。病院に行かずにいつでも簡単にインターネットから注文する事ができ、ご自宅まで届けてくれます。
ただし、海外から発送されるため、到着までには10日ほど日数がかかります。また、服用はすべて自己責任です。病気や服用しているお薬などで服用できない場合がありますので、心配な方は服用前に医師に確認して下さい。
睡眠薬というと安全性が心配な方も多いかもしれませんが、最近の睡眠薬は安全性が非常に高く、正しく服用すれば依存などの心配はほとんどありません。副作用も軽度に抑えられているため、安心して利用する事ができます。
睡眠薬には様々な種類があります。最近は即効性があり、しかも依存や副作用の少ない非ベンゾジアゼピン系睡眠薬が主流になっています。有名なのはマイスリーやルネスタ、日本では未承認ですが海外では有名なハイプロン(ソナタジェネリック)などです。服用して20分程度で眠りに就く事ができ、多くの方は朝までしっかりと熟睡する事ができます。マイスリーは日本では向精神薬に指定されているため、個人輸入で購入する事はできませんが、ルネスタ、ソナタジェネリックは通販で購入する事ができます。
それ以外に、不眠症の改善以外にも体内時計を整え、自然に眠れる体質にしてくれる効果もあるロゼレムや、覚醒状態を抑える効果があり、副作用などが少ないベルソムラなども通販で販売されています。これらの睡眠薬は非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に比べると効果、即効性はやや弱いと言われていますが、安全性が高いため、依存などの心配なく睡眠薬を利用したい方は、ロゼレムやベルソムラがオススメです。
不眠症はご自分に合っている方法で改善を(まとめ)

以上のように、不眠症を改善するには、非常に多くの方法があります。どれが合っているかは個人差がありますので、ご自分に合っていると思うものを試してみましょう。ただし、時間がかかってしまい、効果が得られない場合もあります。
最も簡単で効果が高く、即効性がある方法は睡眠薬です。症状が辛い方は、まずは睡眠薬を利用して改善し、症状が緩和されてきたら生活習慣を改善するなどの方法をとるのもおすすめです。不眠症は放置していると日常生活に支障をきたすだけでなく、病気のリスクが高くなったり美容への悪影響などもあります。気になる方は、ただの寝不足だと軽く見ずに早めに対処して、疲れのない快適な生活を送れるようにしましょう。